金沢に行くなら、「兼六園」に行ってみてください。
この兼六園は、石川県金沢市にある日本三名園の一つに数えられる庭園です。
日本三名園ってご存じですか?
それは水戸の偕楽園、岡山の後楽園、そして金沢の兼六園の三つの庭園のことです。
どちらも江戸時代に各藩の藩主によって作られた大規模な庭園です。
科学技術の発達した現代のように便利な機材がないなかで池を掘ったり様々な樹木を植えたりするのはとても大変な事業だったと思います。
多くの人々たちの力で長い時間をかけて作られた庭園だと思って眺めるとより見事なものだなあと感じます。
他の二つの庭園も機会があったら是非いかれてみてください。
さて、兼六園は特に高い造園技術で知られており、雪吊りは冬の風物詩と言えます。
雪吊りとは樹木の枝が雪の重みで折れないように縄や針金を使って吊り、補強することをいいます。
北陸地方は日本海側ならではの湿った重い雪から樹木を守るために雪吊りの技術が発展しました。
兼六園の雪吊りは毎都市1月1日から一ヶ月から一ヶ月半かけて園内の800か所もの場所に設置していきます。その作業風景も見どころの一つとなっています。
この「兼六園」周辺には、観光に便利なホテルや旅館も多いです。
兼六園は廻遊式の庭園です。
廻遊式庭園というのは、園内を回遊して楽しむ庭園のことです。
竜安寺や西芳寺(苔寺)の枯山水の庭園が室内から眺めて楽しむものに対して、廻遊式は庭の中に入っていろいろな景観を眺めて楽しむものです。
広大な敷地の中に築山、滝、灯篭、樹木、名石、池などが設けられます。庭園をする展望所として茶亭や東屋が設けられます。歩いてきてちょっと一休みしたいなあと思う場所に東屋などが設けられているわけですね。一息ついたらまた違う景色を楽しむために出発です。
兼六園は江戸時代に加賀藩代々の藩主によって造園されていき、現在の形が出来上がりました。
そのため、廻遊式ではあるものの、その時代時代の造園手法も駆使した庭園となっています。
様々な時代の手法を取り入れていると聞くとごちゃまざな感じになるのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
でも、兼六園は一貫性があってまとまった庭園となっています。それは作庭における基本思想(神仙思想)が一貫していたからでしょう。
大きな池を作って海に見立て、その中に石を配置して仙人が済んでいるといわれている島(蓬莱山)に見立てています。
外様大名だった加賀藩主前田家が未来永劫の繁栄を願い、長寿の願いを込めて作った庭園といえるのではないでしょうか。
2024年1月1日の能登半島地震の影響で栄螺山周辺、明治紀念之標周辺、山崎山周辺等立ち入り禁止区域がありますが、ほとんどの場所は散策可能なので出かけても大丈夫です。
きっと素敵な旅の思い出ができると思いますよ。
この記事では、「兼六園」の見どころや特徴、アクセス方法、開園時間などをまとめてみました。
また、観光に便利なおすすめホテル・旅館などもご紹介しますので参考にしてください。
「兼六園」の季節別の見どころ
この「兼六園」の廻遊式庭園は定番スポットが見逃せませんが、季節ごとにも見どころがたくさんあるので春から順番にご紹介していきます。
兼六園の春は兼六園菊桜が見逃せない
春はなんといっても桜です。
兼六園には約40種類の桜が420本も植えられているので、園内いたるところに桜を鑑賞するスポットがあります。
たくさんある桜の中でぜひとも見ていただきたいのが兼六園菊桜です。
一般の菊桜は花弁が150~200枚なのですが、兼六園菊桜は花弁の数がなんと250枚から400枚もあります。日本で最も花弁の多い珍しい品種だそうです。
現在鑑賞できる菊桜は実は二代目です。江戸時代から植えられていた初代の兼六園菊桜は枯れ死してしまいましたが、昭和42年に植藤造園で育てられた2代目が兼六園に返されました。
昭和初期に桜守の14代佐野藤右衛門が樹の状態を見てこのままでは危ないと40年かけて試行錯誤しながら兼六園菊桜接ぎ穂を育てていったのです。
兼六園菊桜は見ごろが長いのも特徴です。濃紅色のつぼみが開花とともに徐々に薄紅色に代わっていき、最後には白に近いピンク色になってポトリと柄が付いた状態で落ちていきます。
日にちを置いて兼六園を訪れて色の変化を眺めるのも素敵ですね。
兼六園では、桜の開花に合わせて一週間の無料開園や夜間ライトアップを行っています。
2024年の予定はまだ発表されていません。冬のライトアップが中止になったので春のライトアップが待たれますね。
アオサギがお出迎えしてくれる兼六園の夏
兼六園はたくさんの樹木が植えられているので新涼緑の頃から様々な緑が目を癒してくれますが、暑い夏のおすすめはやはり水場です。
翠滝、霞ヶ池、庭園を流れる曲水沿いの散策、噴水等で涼を楽しむのもよいでしょう。
また、兼六園の霞ヶ池のことじ灯籠付近には常駐しているアオサギがいます。他にも飛来してくるアオサギは初夏になると巣作りのために他所へ行ってしまいますが、この常駐しているアオサギ君は兼六園のポスターにも使われたことがあり、秋にまた他のアオサギたちが戻ってくるまで兼六園の人気者として姿を見せてくれています。
兼六園にはそのほかにも水場のカワセミ、カルガモだけでなく、セキレイ、ルリビタキ、ヤマガラなど多くの野鳥がいます。たまにはバードウォッチングを楽しむのもよいですね。
秋といえばモミジでしょ
兼六園には300本ものモミジの木が植えられているので紅葉シーズンにはいろいろな場所で様々なモミジのバリエーションに出会うことでしょう。刻々と表情を変えていく紅葉に目を奪われます。
見どころの一つは、紅葉山とも呼ばれている山崎山です。山崎山にはカエデやケヤキといった落葉樹が多いので赤や黄色に色づいた紅葉を楽しむことが出来ます。また、山崎山のふもとの曲水に映し出される紅葉を眺めるのも一興です。
霞ヶ池の周りも紅葉が楽しめます。中でもおすすめなのが湖畔のことじ灯篭の手前から霞ヶ池を眺めるスポットです。手前の灯篭と色鮮やかな紅葉、そして対岸の池に映った紅葉。いつまでも見ていられる景色です。
高さ9メートルの栄螺山頂上から見下ろす紅葉もまた違った角度からの眺めになります。
例年夜間ライトアップで昼間とは違った紅葉の景色が見られます。今年も見られるといいですね。
兼六園の冬景色雪といえば雪吊り
冬の兼六園といえばやはり雪景色。
園内を覆う雪や池の薄氷の中、ひときわ目立つのがたくさんの木々に放射線状に張られた縄、それが「雪吊り」です。
雪吊りは、樹木の枝が雪の重みで折れないように縄や針金を使って吊って補強するものです。
金沢の町がある日本海側は世界的に見ても屈指の豪雪地帯です。
雪の量が多くても北海道のようなサラサラのパウダースノーならまだ扱いやすいのですが、北陸地方の雪は湿って重いため樹木が折れる被害が出やすいのです。
そのため古くから雪吊りの技術が発達し普及していきました。
園内約800ヶ所に設置されている兼六園の雪吊りは有名です。
なかでも唐崎松の雪吊りは、9メートルの松に最大で16メートルの高さの支柱、藁縄800本が使用されているそうです。
2月になれば椿や早咲きの紅梅が園内で見られるようになります。白と赤のコントラストが楽しめますね。
「兼六園」の基本情報
「兼六園」の入園料、開園時間、無料開放時期などについてまとめました。
入園料
・大人 320円(団体の場合は250円)
・子供(6~17歳) 100円(団体の場合は80円)
*団体割引は30名様以上です
*65歳以上の方、障碍者の方、学校行事等での入園の場合は無料になります。
詳しくは石川県金沢城・兼六園管理事務所にお問い合わせください。
開園時間
・通常
3月1日~10月15日 7:00~18:00(入園は17:30まで)
10月16日~ 2月末日 8:00~17:00(入園は16:30まで)
・早朝(無料入園)
3月1日~ 3月31日 5:00~通常開園の15分前まで
4月1日~ 8月31日 4:00~通常開園の15分前まで
9月1日~10月31日 5:00~通常開園の15分前まで
11月1日~ 2月末日 6:00~通常開園の15分前まで
早起きが得意な方には人の少ない早朝入園もおすすめです。
通常開園の15分まで迄には園内から退出しなくてはならないので時間にゆとりをもって散策するとよいでしょう。
*【無料開放情報】
早朝の無料入園以外の通常時間でも無料開放をしている時期があります。
桜の見ごろやお祭りに合わせて無料開放をしているので、タイミングが合えば無料開放の時に行かれるのも良いですね。
大晦日から元旦にかけては夜間も解放されています。
除夜の鐘を聴きながらの散策ってロマンティックですね。
・観桜期の1週間
桜の開花時期によって決まります。
・加賀100万石まつり開催日
2024年は5月31日~6月2日
・お盆の時期
8月14日~16日
・11月3日(文化の日)
・金沢城・兼六園ライトアップの時期
無料開放の時期も結構多いですね。
「兼六園」へのアクセス!
この「兼六園」に行くには、最寄りの駅から行く方法、滞在しているホテルから行く方法、直接行く方法などいろいろなパターンがあると思います。
あなたの旅のパターンに合わせてご確認ください。
「兼六園」へ電車で行く場合
この「兼六園」へ電車で行くなら、最寄駅は金沢駅です。
おおよそ徒歩30分で兼六園まで行くことが出来ますが、せっかくあるくのなら途中にある観光スポット、近江町市場と金沢城公園を散策していくのはいかがでしょうか。
金沢駅東口のもてなしドームを抜けて鼓門をくぐると金沢駅通りがあります。ここを真っ直ぐ進んでいくと10分ほどで近江町市場があります。
近江市場の十間町口から出ると徒歩約5分で金沢城の黒門に着きます。
金沢城公園と兼六園は隣接しています。金沢城公園の石川門を出て目の前の石川橋を渡り、右前方にある坂道を上ると兼六園の桂坂口があります。
「兼六園」へバスで行く場合
金沢駅の東口(兼六園口)にはバスターミナルがあります。
その6番乗り場を利用します。
通常は城下町周遊バスを利用します。
毎日8時30分から18時5分まで15分間隔で運行しているので便利です。
大人200円、子供100円で利用できます。
城下町周遊バスには右回りルートと左回りルートがあります。
右回りルートは「兼六園下・金沢城(石川門向い)」6番停留所で降車すると、桂坂口の出入り口(料金所)の近くに着きます。
左回りルートは「兼六園下・金沢城(白鳥路前)」9番停留所で降り、道路を渡って桂坂口の出入り口(料金所)へ行くことになります。
2024年1月6日から当面の間左回りルートは運休となっています。
ライトアップの時期は金沢ライトアップバスを利用します。
こちらは19時21時45分まで15分間隔で運行しています。
料金は大人300円、子供150円です。
「兼六園下・金沢城(石川門向い)」4番停留所で降車すると、桂坂口の出入り口(料金所)の近くに着きます。
「兼六園」へ自動車で行く方法と駐車場
「兼六園」に自家用車で行くには、北陸自動車道(高速道路)を利用します。
富山方面からは「金沢森本」インターチェンジで下車、山側環状道路経由で約20分で兼六園に着きます。
福井方面からは「金沢西」インターチェンジで下車、新神田・野町広小路経由で約30分で兼六園です。
高速道路を降りてから兼六園までは市内中心部を走ることになるので時間帯によっては混雑が予想されます。時間にはゆとりを持って移動することをお勧めします。
「兼六園下」交差点近くの「兼六駐車場」等をご利用ください。
「兼六園」周辺のおすすめホテル
「兼六園」の周辺には、素敵なホテルや旅館がたくさんあります。その中でいくつかおすすめのホテルをご紹介します。
東横INN金沢兼六園香林坊
この「東横INN金沢兼六園香林坊」は、世界330か所を超える拠点で展開されている東横INNホテルの一つです。「ビジネスや観光をここから始めましょう!」というコンセプトで、すべての移動の拠点を目指しているホテルチェーンです。
一番の特徴は立地のよさです。金沢駅からバスで10分ですが、無料の送迎バスが充実しています。金沢城や兼六園など観光地に徒歩でいけるので便利です。
無料の朝食付きなので、ぱっと食事をして観光をしたい人におすすめです。
このホテルの紹介記事はこちら>>
旅館 兼六園
「変なホテル金沢 香林坊」って何?って思いませんか。
変なホテルは、全国に19件展開しているロボットやホログラムによる非対面方式のチェックインができるホテルです。
変なホテル金沢香林坊では恐竜ロボットがお出迎えしてくれます。
斬新なアイデアだけでなく、ロビーの演出は加賀友禅を模したプロジェクションマッピングが施され、レストランのデザインには水引を取り入れるなど伝統的な加賀の文化も取り入れ、新しいものと古くからのものが巧みに融合されています。
お部屋の種類が豊富なのも魅力的ですね。
人数や目的に合わせて好みのお部屋を選ぶことが出来ます。
朝食ビュッフェでは名物の金沢カレーや豆腐飯もあり、ちょっと食べてみたいけどランチはもっと違うものが食べたいという方も満足できるのではないでしょうか。
兼六園、金沢21世紀美術館、近江町市場など観光スポットまで徒歩でいける立地のよさも魅力の1つです。
このホテルの紹介記事はこちら>>
金沢白鳥路 ホテル山楽
この「金沢白鳥路 ホテル山楽」は、朝ごはんフェスティバルで4年連続石川県第1位のホテルです。
和洋食のビュッフェは加賀野菜を使ったサラダ、金沢おでん、加賀車麩の卵とじなど金沢の味覚が豊富に取り揃えられています。
観光地へのアクセスも便利な立地になっているのでこだわりの朝食をゆっくり召し上がっても問題ありません。
一番の特徴は金沢市内のホテルでは珍しい天然温泉です。
地下807メートルからくみ上げられる炭酸水素塩泉はとろみを帯びたコーヒー色の温泉で、お肌に優しく効能もたっぷりです。
美肌の湯とも言われ、女性にはとくにおすすめです。
このホテルの紹介記事はこちら>>
「兼六園」のまとめ
「兼六園」は、四季折々に様々な表情を見せてくれる素晴らしい庭園です。
地元の人だけでなく多くの観光客の目を楽しませてくれています。
その兼六園の見所などと周辺のおすすめホテル情報をご紹介しました。
兼六園を訪れる際には、徒歩でいけるくらいの近さのホテルをお勧めします。
早朝の無料開放や夜間のライトアップを干渉する際には交通手段を必要としない徒歩圏内のホテルがとても便利です。
ぜひ兼六園へ訪れた際は、近場のホテルもご利用くださいね!
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